“ザー!!!”

 「うわ〜!」
手塚 「みんな、雨の当たらない所に、一時避難しろ!」

と越前が、部活を始めだして、すぐ、雨が降ってきた。

 「全然、部活してへんのに・・・。損じゃない?」
越前 「損、とか、そういう問題じゃないと思うけど。」
 「どうなるんやろ。部活。」

顧問の竜崎先生と部長の手塚、副部長の大石で、今後どうするかを話し合っていた。しかし、しばらくすると、手塚がこう言った。

手塚 「今日の部活は中止だ。みんな、風邪を引かないうちに、早く帰るんだ。」
 「ほら〜。損や〜。委員会が無かったら、もっと部活出来たのに〜!」
越前 「だから・・・。」

だから、損、とか、そういう問題じゃないって、そう越前が言おうとした時、が突然、何かを思い出した。

 「あっ!」
越前 「何?」
 「今日、傘、持って来てない。」
越前 「・・・俺も。」

そう。今日の雨は、突然だったのだ。天気予報でも、今日は雨の降らない、洗濯日和だと言っていた。だから、もちろん、傘なんて持って来てない。

 「しかも、跡部さん家は、ちょっと遠いし・・・。」

は、今跡部の家にいる。自分の家でも少し、遠いのだが、跡部の家は、さらに遠い。

越前 「じゃあ、俺ん家に来れば?」

この機を逃すまい、と越前は、そう言った。

 「いいよ、いいよ。たぶん、雨止むと思うし。」
越前 「それまで、俺ん家にいれば、いいじゃん。」
 「でも・・・。」
越前 「いいから。」
 「じゃあ、お言葉に甘えて・・・。」

そういうことで、は、越前の家に行くことになった。


 「お邪魔します。・・・・・・リョーマ君の家、初めて見た〜。」
越前 「・・・ただいま。」
南次郎 「おっ、青少年。今日は、彼女を連れてきたのか。いいねぇ。」

そう言って出てきたのは、越前の父親の南次郎だった。そして・・・。

カルピン 「ほあらぁ〜。」

越前家の猫、カルピンだった。

 「か・・・、かわいい・・・!」

実は、は、かなりの動物好きだったのだ。

 「なぁ、リョーマ君!この子、何て言うの?」

カルピンを初めて見た、は、ものすごい勢いで尋ねた。

越前 「カルピン、だけど。」
 「カルピンか〜。こんにちは、カルピン。初めまして。」
菜々子 「あら、リョーマさん、お客さん?」

そう言ったのは、居候をしている、菜々子だった。

 「あ、初めまして。青学テニス部のマネージャーをやってる、1年の忍足 といいます。」
菜々子 「初めまして。私は従姉弟の菜々子。そして、こちらがリョーマさんの父の南次郎さん。」
南次郎 「よぅ。」
菜々子 「リョーマさんも、さんも、ずぶ濡れじゃない。」
 「雨の中、傘も差さずに帰ってきたんで・・・。」
菜々子 「じゃあ、お風呂沸かしてきますね。」
 「えっ・・・?」
菜々子 「着替えは・・・、私のでも、いいかしら。」

どうやら、菜々子はも、風呂に入れようとしているのだった。

 「そんな、悪いですよ!」
菜々子 「でも、風邪引くじゃない。」
 「けど・・・!」
越前 「いいじゃん。」
南次郎 「そうだ。遠慮はしなくていいんだぜ。」
カルピン 「ほあら〜。」

カルピンまでもが、賛成しているかのように鳴いた。

菜々子 「カルピンも、良いって言ってることだし、ね。」
 「・・・すいません。」


風呂から上がったは、今、風呂に入っているリョーマを待つために、リョーマの部屋にいた。

 「うち、迷惑かけすぎや・・・。リョーマ君の家といい、跡部さんの家といい・・・。・・・・・・そろそろ、帰った方がいいかな?カルピン。」
カルピン 「・・・・・・。」

カルピンは、眠くなったらしく、越前のベッドで、のびていた。

越前 「・・・何、1人でしゃべってんの?」
 「わっ!リョーマ君!」

いつの間にか、越前が風呂から上がっていた。

越前 「それより、何言ってたわけ?」
 「いや、別に・・・。」
越前 「家、帰りたいの?」

聞こえてるやん・・・、とは思った。

 「そういうわけじゃないけど、なんか・・・。・・・いっぱい迷惑かけてるし。」
越前 「誰も迷惑だ、なんて言ってないじゃん。」
 「そうやけど・・・・・・。」

すると、下から菜々子の声が聞こえた。

菜々子 「2人とも〜!晩御飯、出来ましたよ〜。」

その声に、はハッと何かを思い出したように、携帯を見た。

 「もう、こんな時間!うち、帰らないと!」

は、携帯の時計を見たのだった。

越前 「泊まっていけば?」
 「そんな・・・!」
南次郎 「そうだ、泊まっていけ。女の子なら、大歓迎だ。」
越前 「なっ・・・!親父・・・・・・。」

いつの間にか、部屋に入ってきていた、南次郎が言った。

 「小父さん・・・。」
南次郎 「まぁ、晩御飯だけでも食っていけよ。と言うか、食べていけ。女の子がいた方が、小父さんとしては、食べやすい!」
越前 「勝手に入ってくんな!」

そう言って、越前は、南次郎を追い出した。

 「・・・じゃあ、晩御飯だけ、頂こうっと・・・・・・。」
越前 「だから、泊まればいいじゃん。」
 「ホントに?」
越前 「ただ、条件がある。」
 「何?」

越前は、条件があった方が、も泊まりやすいだろうと思って、こう言った。

越前 「朝、俺、起こしてくんない?」
 「・・・それだけ?」
越前 「うん。そしたら、俺、明日の朝練に遅れなくて済む。」
 「そっか。・・・それは、部の為にも、泊まった方がよさそう・・・・・・。じゃ、跡部さんに連絡しとこうっと。」

と言うことで、越前の家に泊まることになった。


 「久しぶりに、大勢で食べたわ〜・・・。」
越前 「そうなの?」
 「うん。だって、うちん家は侑兄だけやし、跡部さん家は1人で、自分の部屋で食べたし。」
越前 「へぇ〜。」
 「やっぱ、家族って、いいなって思った。・・・っということで、明後日帰ろうかな。」

は、家に帰ることを決意したようだった。

越前 「なんでまた、明後日なわけ?」
 「今日は、無理やし、明日は、跡部さんにお礼言おうと思って。だから、明後日。」
越前 「なるほど。」
 「じゃあね、おやすみ。」
越前 「おやすみ。」

の家出の件は、これで一件落着した。・・・しかし、明日の朝、もちろん事件が青学で起こるのである。









← Back      Next →



 

今度は越前家にお泊りです。完全に自分の趣味です・・・。すみません・・・orz
リョーマくんはもちろんのこと、菜々子さん、南次郎さん、カルピン、倫子さん、という越前家が大好きでして!
特に、ご両親が大好きで、ご両親の若い頃のエピソードが楽しくて、楽しくて・・・。

と、話が逸れすぎましたね(笑)
とりあえず、次回の話には、ようやく青学メンバー全員登場です♪