部活で一息つき、俺は顔を洗っていた。・・・やはり、熱いのは敵わん。少しでも、体温が下がることを期待しつつ、俺は蛇口を閉めた。



「はい、仁王くん。タオル。」

「おぉ、助かるぜよ・・・・・・。」



そこまで言って、俺は目の前に置いた眼鏡を見た。・・・・・・そうじゃ。さっきまで、柳生と入れ替わっての練習をしとったんじゃった。で、俺はそのまま、ここに来たから・・・今は柳生の格好のはず。それなのに。



「なんで、すぐに俺って、わかったんじゃ・・・?」

「そりゃ、マネージャーとして、当然です!・・・なんて。まぁ、マネージャーとして、って言うのは、間違いないけど。さっきまで、マネージャーとして、2人の練習見てたからね。」



なるほど、そういうことか。だけど、本当は違うんじゃないかと期待をしてしまった。
・・・まぁ、矛盾しとうかもしれんが、好きな奴には変装してても、気付いてほしいなんて思ってしまうからのう。
俺はそれを試そうと思い、目の前の眼鏡をかけた。



「いえ・・・。実は、練習後、すぐに元に戻ったんですよ。ですが、仁王くんと呼ばれて、つい仁王くんのように返事をしてしまいました。紛らわしいことをしてしまって、すみません。」

「えぇ、そうなの?!・・・・・・とはいかないってば。わかってるよ、仁王くん。私、本当にさっきまで見てたから、元に戻ってないことぐらい知ってるよ。」

「なんじゃ・・・。つまらんのう。」

「残念でした!」



本当、残念じゃ。見ていなくても、変装に気付いてくれたなら、もっと嬉しかったのに・・・。もちろん、練習後も俺から目を離さないでいてくれたんも嬉しいけど。それは、柳生にも言えることじゃからなぁ。



「まぁ、見てなくてわかるけどね。やっぱり、どこか違うもん。特に、さっきの顔の洗い方は、仁王くんだったしね。」

「・・・そう、なんか?」

「うん。どこがどう違うとは言えないけど・・・。微妙に違うよ?・・・今後の変装の参考になった??」



は、そう嬉しそうに言ったが・・・。こっちも思わず、顔がニヤけそうになった。
・・・なんじゃ、やっぱりわかるんか。



「あぁ、参考になるな。ありがとう。」

「いいえ、どういたしまして!」

「これからは、に見抜かれんぐらいにしてみせるぜよ。」

「どうぞ。絶対、見抜いてやるから。」



挑発的な言い方じゃったが、これは俺が頑張って練習をするよう、わざとそう言ったんじゃろう。・・・でも、本当に自信があって、そう言ったようにも聞こえるのう。
どっちにしろ、俺にとって嬉しいことには変わりない。好きな奴に見抜かれんのも嬉しいが、そのために俺のことを見ていてくれんのも有り難いからのう。



。ありがとな、・・・タオル。」



本当は、タオルのことだけじゃないけど・・・。まぁ、それも含めて、見抜いてみんしゃい。













 

私なりに、頑張りました・・・!(笑)やっぱり、口調が難しいですけど、キャラ自体も難しい・・・!(汗)でも、少しずつマシになってはいるかなぁと思ったり・・・(←)。

('09/06/18)