昼休みに、俺は音楽を聴いていた。午後の授業って、どうしても眠くなるからな。こうやって、気分転換でもしておかないと。
最近はまっている曲を選んで、俺はそれに聴き入っていた。・・・この曲は、ついを思い出す。この曲の歌詞が恋を歌っているからだ。こういう曲は、やっぱり自然と自分と重ね合わせちまうよな。
そう思っていると、ポンポン・・・と肩を叩かれた。
「・・・?!」
振り返ると、そこには今思い浮かべていたが居て、俺はかなり焦った。慌てて曲を止め、の方へ向き直ると、それを見たが申し訳なさそうに言った。
「ゴメン。歌、聴いてたんだ?邪魔・・・しちゃったかな。」
「全然っ!大丈夫だって。暇だっただけだし!それより。どうしたんだ?何か、用でも・・・。」
「特に用事があったわけじゃなかったんだけど・・・。ちょっと、神尾くんと話そうかなって・・・。」
とは仲の良い方だと思うし、クラスだって同じだから、こんなこともたまにはあるけど・・・。それでも、やっぱり俺は素直に嬉しかった。
「いいよ。じゃ、隣の席空いてるし、座って、座って。」
「ありがとう。・・・ところで、何の曲聴いてたの?」
「も聞いてみる?」
「うん!聞かせて!」
俺は、一度片付けかけていたプレイヤーを出し、に差し出した。・・・なんか、こういうのって、いいよな。
「あ!この曲。私も好きだよ!特に歌詞がいいんだよねぇ・・・。」
「お、も?!気が合うなぁ。俺も、その曲は特に歌詞がいいと思う。」
は、ただ同じ曲を好きだって言っただけなのに、すごく嬉しさを感じちまう辺り、やっぱり俺ってのことが好きなんだよなぁ。
「本当に?!気が合うねぇ!神尾くんと音楽の趣味が合うなんて・・・、すっごく嬉しいよ!」
・・・そんなことまで言われたら、マジで俺、嬉しいんだけど。本当は、この曲を聴いたとき、は誰を思い浮かべるんだろうとか気になるけど・・・。今は、とにかく嬉しさが勝っちまった。
いつかは、その話も聞けたらいいけど・・・。それまでは、とりあえず、音楽の話とかそれ以外の話とか、いっぱいいっぱい話そうな!
「キスプリ」(たしか、「ラブプリ」ではなかったハズ)のクリア後のボイスで、こんなシーンだったような・・・と思いながら書きました。つまりは捏造ですね!(←)
('10/06/18)