今、私には好きな人がいる・・・。その人は幼馴染で、最近までは、少しも恋愛感情なんて、無かった。今でも、どこが好きなのか、よくわからない・・・。

千石 「ちゃん、おはよ〜!今日もカワイイねvvv」
 「わっ・・・!お、おはようございます、千石先輩!」

この人は、テニス部の先輩の千石 清純 先輩。(私は、男子テニス部のマネなのです。)1つ年上の先輩だけど、とても話しやすい人。
私の好きな人も、こんなに話しやすい人だったら、いいのに・・・。

千石 「どうしたの?考え事?」
 「え・・・。・・・まぁ、そんなとこ・・・です。」
南 「もしかして、悩み事?相談に乗ろうか?」
 「いいですよ。大丈夫ですから。」

この人は、テニス部の部長の南 健太郎 先輩。いつでも部員の心配とかをしてくれる、とても優しい人。
私の好きな人も、こんなに優しい人だったら、いいのに・・・。

千石 「わっ!地味‘s片割れ、いつ来たの?」
南 「いや、千石より先に来てたけど・・・。」
壇 「千石先輩、失礼です!たしかに、少しだけ地味かもしれないですけど・・・。」

この子は、後輩の壇 太一 君。いつも、大き目のバンダナをつけてて、ずれると、前が見えなくなって、こけたりする、すごくカワイイ子。
私の好きな人も、こんなにカワイイ人だったら、いいのに・・・。

南 「フォローしたいのか、けなしたいのか・・・。」
壇 「わわっ!ごめんなさいです!」
千石 「人の悪口を言うと、ラッキーが逃げるよ。」

なんで、私はこの人達を好きにならなかったんだろう・・・。なんで、よりにもよって、話しにくくて、優しくもなくて、カワイクもない、幼馴染のアイツを好きになったんだろう・・・。

室町 「いつも、人の悪口を言ってるのは、千石さんでしょう?」

この人が、私の幼馴染の室町 十次 ・・・君。

千石 「室町君は、厳しいなぁ・・・。まぁ、そこが時期部長に相応しいんだけどね。」
南 「時期部長は、室町でほぼ決定だろうな。」
壇 「さすがです!」
 「えっ・・・。」

しまった!思わず声を出しちゃった・・・。だって、十次が部長になれば、話す機会とかが増えるわけだし、嫌だなって・・・。

南 「ちゃんは、不満?」
 「いや・・・。・・・先輩達が引退しちゃうのが、嫌だなって、思ったんです。」
千石 「引退しても、必ず来るよ!・・・まぁ、受験が落ち着いてからになると思うけど。」
壇 「待ってるです!」
 「なんか、もう引退するみたいですね・・・。でも、山吹は強いんですから、先輩達の引退なんて、まだまだのことですよ。」
室町 「油断は禁物、ですよね?先輩方。」
千石 「あらら。また、厳しいお言葉を頂いちゃったね。」
伴田 「室町君の言うとおりですよ、千石君。君は、ことごとく、2年生にやられていますからネ・・・。」
千石 「だから、メンゴって!あれから、俺も頑張ったんだし!」
南 「たしかに。あれから千石は、ずいぶんと変わったなぁ。」
千石 「さすが、わかってくれてるね、地味‘s片割れ。」
壇 「だから、失礼です!」
南 「(苦笑)そろそろ、練習始めるぞ。」

・・・・・・・・・、ホント、なんで、あんな奴を好きになったんだろう・・・。まぁ、今は、そんなこと考えてる場合じゃない。朝練に集中しなきゃ。


南 「今日の練習は、ここまで!」

・・・えっ?もう、終わり?いつもより、早い気がするんだけど・・・。

南 「全員、片付けをして、着替えた人から、部室前に集合。」

なんか、話でもあるのかな・・・?それなら、朝練が早く、終わった理由もわかる。

全員 「はい!」
南 「みんな、揃ったか?・・・・・・・・・それじゃ、本題に入るけど、実は俺達、明日は修学旅行の前日のために、部活に参加できないんだ。」
全員 「えっ!」
千石 「みんな、初耳だった?・・・まぁ、俺達も昨日、聞かされたとこなんだけどね。どうやら、山吹の校長が『みんなを驚かそう』と、考えたらしいよ。」
南 「それで、その間、仮部長を2年にしてもらおう、と思ってるんだけど・・・。俺達、3年で決めた結果、室町になったんだ。みんなは、それで、いいかな?」
全員 「はい。」
南 「それじゃ、明日からは、室町の言うことを聞くよーに。以上、解散。・・・この後、室町とちゃんは少し、残って。」

・・・・・・ちょっと、待って〜!私が最も、恐れていたことが、こんなに早く、訪れるとは・・・。

南 「室町。メニューは、いつも通りでいいから。まぁ、その他、困ったことがあったら、伴田先生にも相談して――。大変だと思うけど、マネージャーのちゃんも協力して、2人で頑張ってくれ。」
室町 「はい。」
 「・・・はい。」

はぁ〜・・・。ホント、嫌だなぁ・・・。まぁ、部活のためだ、と思って頑張ろう!


・・・・・・・・・、とは言ったものの・・・。今日の私、全く授業に集中できてない・・・。頭の中で、つい明日のことを考えてる。・・・・・・・・・そして、いつの間にか授業が終わっている・・・。ダメだ!しっかり、しなきゃ!

 「・・・ってば・・・!」
 「わっ!ゴ、ゴメン。何?」

この子は、私の親友の 。私が、十次のことが好きってことも、もちろん、知ってる。

 「何、って・・・。さっきから、ずっと呼んでたのに。・・・まぁ、いいけど。それより、室町君がのこと呼んでるわよ。」
 「えっ・・・。十次が・・・?何の用だろ・・・。」
 「明日の部活のことで、って言ってたけど(・・・の表情が変わった・・・。何か、あったのかしら)。・・・一緒に行こうか?」
 「・・・いいよ。ありがとう。」


・・・っていうか、さっきから沈黙が続いてるんですけど・・・。

 「・・・で、何の用?」

うわっ・・・。私、すごく冷たい・・・。

室町 「お前・・・。最近、俺のこと避けてるだろ。」
 「避けてません。」
室町 「俺、何かしたか?」
 「何もしてません。・・・っていうか、部活のことじゃなかったの?」
室町 「お前が避けてたら、部活の話もできないだろ。」

ごもっとも。

 「だから、避けてないってば。・・・で、部活のことって、何?」
室町 「お前・・・。俺のこと嫌いなのか?」
 「!・・・・・・・・・。」

嫌いじゃない。むしろ、その逆。・・・でも、そんなこと言えない。

室町 「俺のこと嫌いなら、別にいい。・・・・・・・・・それより、明日のことなんだけど・・・。」
 「嫌いじゃないもん・・・。バカ!」
室町 「・・・バカは、無いだろ。」
 「だって、十次が・・・。・・・嫌いじゃないもん!でも、その逆だなんて、言えるわけがないでしょ?!」
 「(心配になって、来てみたけど・・・。、泣いちゃってるじゃん(しかも、どさくさにまぎれて告白してるし・・・)。室町君、どうするんだろ・・・。)」

・・・・・・私、今、十次の腕の中にいる・・・。・・・・・・・・・って・・・!

 「十次・・・?!」
 「(室町君って、あんなキャラだったんだ・・・。)」
室町 「それなら、そうって、言ってくれれば良かったんだ。」
 「・・・どういうこと?」
室町 「俺も前から、好きだった。」

・・・・・・・・・。・・・!ウソ!

 「・・・・・・ホントに?」
室町 「俺は、今まで嘘を吐いたことは無い。」
 「(うん、無さそうな顔してる。)・・・、じゃあ前から、両想いだったってこと?」
室町 「そうなるんじゃないのか。」
 「・・・(今、十次を好きになった理由、わかった気がする。いつもは真面目で厳しそうだけど、本当は話しやすくて、優しくて、カワイイ一面を持ってたり、するんだよね)。」
 「!よかったじゃない!」

・・・・・・・・・。え〜っと、だよね・・・?

 「・・・?」
 「(しまった・・・。つい、飛び出しちゃった。)やぁ、(とりあえず、挨拶を・・・)。」
 「・・・もしかして、聞いてた?」
 「・・・・・・まぁ。」
 「いつから?」
 「・・・が泣いてる辺りから、かな?」
 「・・・・・・・・・。」

・・・恥ずかしくて、声も出ないよ。それより、親友の話を盗み聞きするか、普通・・・。

 「じゃ、じゃあ、私はこの辺で・・・!」
 「ちょ、ちょっと!」

逃げられた・・・。

 「十次、どうする?」
室町 「何を、だ?」
 「何を、って・・・。気にならないの?のこと。」
室町 「別に。」
 「(うん、気になら無さそうな顔してる。)そう・・・。」


その後も、私は授業に集中できなかった。明日のことを心配する必要は、無くなったけど・・・。今、とすごく、気まずい雰囲気だから・・・。聞かれたこっちは、恥ずかしくて、話しにくいし、聞いてたあっちは、悪いことしちゃった、って感じで話しにくそうだし。・・・・・・まぁ、いいや。十次と両想いになれたしね! (所詮、私はどうでもいいんだ・・・。 By.









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室町くんって、こんなキャラなのかな・・・?(笑)いやぁ、まさか室町くんを書くとは。
じゃあ、なんで書いたんだよ?って話ですが。やや面倒(?)な経緯がありまして・・・。
昔、私は姉と「テニプリ!苗字で呼んだら、罰ゲーム★」という遊びをしておりました(いや、こんな激ダサなタイトルは付いていませんが)。
その罰ゲームが、苗字で呼んでしまったキャラ(どうしても無理な場合(例:1年生トリオなど(女の子キャラも含んでたかも・・・?))は、相手のリクエスト)の夢をプレゼントするというものでした。
それで、まんまと室町くんで引っ掛かったわけですな。なので、当時は室町くんを恨みましたよ(笑)。
夢書くのも、おもんない!と思っていましたが。これがキッカケで、気になる存在になり・・・。今では、すっかり好きキャラです♪
この話も、終わりはギャグっぽく締めたりできたので、結構気に入ってたりします。

そういえば、「テニプリ!名前で呼んだら、罰ゲーム★」っていう遊びもしてました。これで、私は英二くんで引っ掛かった覚えがあります。
さすがに、こんな恐ろしい罰ゲームなんて、今ではやっていませんが(笑)。
でも、数ヶ月はやってましたので、他にもこのような作品があります。