俺は、今日も働き終わって、制服に着替えた。
そして、誰もいなくなった部室を出て、鍵を閉めた。

もう、誰もいないし、太陽も沈みそうだ。
それなのに、俺はいつものように、いるはずもない花を探す。

しかし、少し遠くの木の下で、その花は咲いていた。


「ひ、日吉くんっ!」


花は、俺の名を呼んだ。


か。どうした?」


夕暮れのせいで赤くなった花は、いつもより綺麗に見える。


「あ、あの・・・。ちょっと、時間、いい・・・?」

「・・・あぁ。」

「ここじゃ、話しにくいからことだから・・・、ちょっと来てくれる?」


この話し方からして、本当に夕暮れのせいだけだろうか、と考えた。
しかし、それは俺の望みであって、実際はそうじゃない。


「いや、待て。ここでいいから、先に、俺の話を聞いてくれ。」


それでも、俺は、気持ちを告げようと決意した。
今日だって、俺は一生懸命働いた。お前に認めてほしいんだ。


「・・・うん。」

。俺は、お前が好きだ。だから、付き合ってくれないか。」

「え・・・。ウソ・・・。」

「嘘じゃない。・・・で、返事は?」

「あ!え、え〜っと。その。さっき話したかったのは、そのことで!だから、私も・・・好きです・・・。」


本当に信じられなくて。でも、やっぱり、花がより赤くなっていて。
俺は思わず、手を伸ばし、自分のものにしようと、花を手折った。

いや、花なんかじゃない。
身体に伝わるのは、花には無い、人の体温。
そうだ。俺もも、同じ人。だから、こうして想いが通じた。

だけど、やっぱり、は花のようだ。
俺の人生を華やかに彩ってくれるから。









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これが、このシリーズの中で、最後に書いた作品です。
そんなわけで、他の・・・って、さすがにしつこいですね(苦笑)。皆様に不快な思いはさせたくありませんので、もう書きません!
その代わり、読んでくださってありがとうございました!!・・・という御礼を書いておきます♪

それと、色反転で微エロ余談(笑)。
実は、この作品の最後の1文は、私のメモの中では「甘い蜜で、俺を誘うから。」となっています。・・・なんか、ヤラシイ。
あれ、そう思ったのは私だけですか?!むしろ、ヤラシイと感じた私がヤラシイですか?!
とりあえず、この作品は純粋な恋物語(?)を書きたかったので、最後は変更しました(笑)。

('08/02/07)